就業規則等の書類作成・提出代行、労務管理に関する相談・指導、年金に関する相談・受給申請手続き代行

たなか社会保険労務士事務所
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会社設立後に必要な手続および就業規則のあれこれ


 一念発起して、これから会社を設立しよう、と思われている方も多いでしょう。しかし、ビジネスアイデアは豊富でも、事業設立に伴う法的手続きはよくわからない。そんな悩みを、社会保険労務士の視点から見た手続関係についてお手伝いします。

 また、「手続が終了しました。それでは、頑張ってください」

 これって寂しいですよね。確かに事業を立ち上げるまでも、立ち上げに基づく手続関係も大変ですが、本当に大変なのは「その事業を継続し、発展させていく」ことです。

 それにはどうしても相談者が必要です。「親身になって聞いてほしい」「何かアドバイスがほしい」などなど、経営者は孤独な場面が多いものです。

 そこで、ひとりの「ヒト」として、相談相手になろう、と思います。もちろん法的アドバイスもいたします。ただし、「それは違うんじゃないですか」と、時には反対意見も言います。決してイエスマンになるつもりはありません。味方であり続けるために「あえて」という意味です。

 なぜなら、それが真のアドバイザーだと信じているからです。
 より上を目指して、努力するんだ、という方。全力でサポートしますよ!!
 それでは、社労士が携わる手続の一部を列挙してみます。

(1)労働・社会保険の適用事業所(継続事業)を設置した場合(主な届出)
   (都道府県により、用紙など要件が多少異なる場合があります)

届書等 主な要件など
適用事業報告
  • 事業所設置後、遅滞なく、その事業所の所在地を管轄する(所轄という)労働基準監督署長に提出
  • 事業所単位で提出する
労働保険 保険関係成立届
  • 労災保険は、労働者をひとりでも使用していれば、原則として当然に適用されます。正社員、アルバイト、パートなどの雇用形態に関係なく適用されます。
  • 原則として、労働者をひとりでも雇用した日の翌日から起算して10日以内に、所轄労働基準監督署長に提出します。
  • 3枚複写(事業主控は返却)
雇用保険適用事業所設置届
  • 新規に事業所を設置して、同時に雇用保険に加入する義務のある労働者を採用したとき、またはこれまでは任意加入であった事業所が強制適用事業所に該当することとなったときなどに所轄公共職業安定所長に提出します。
  • 要件に該当した日の翌日から起算して10日以内に提出します。
  • 労働者を新規に採用した場合は「雇用保険被保険者資格取得届」と一緒に提出します。
  • 提出時に、上記の「労働保険 保険関係成立届」の事業主控のコピーを持参します。
労働保険継続事業一括申請書
  • 同一に事業主が2以上の事業を行っている場合で(支店など)、支店ごとに労働保険の保険関係が成立しているときに、それらをひとつの保険関係として処理することを希望する場合に提出します。
  • 条件は、次にすべてに該当することです。
    1. 事業主が同一である
    2. それぞれの事業が継続事業であること
    3. それぞれに事業が、労災保険が成立している事業、雇用保険が成立している事業、労災・雇用保険が成立する事業に該当すること
    4. それぞれの事業が、労災保険率表による事業の種類を同じくしていること
  • 一括の指定を希望する事業所(本社など)の所在地を管轄する労働基準監督署長に提出します。
  • 労災事故がおきたときの労災保険の保険給付の請求先は、それぞれの事業所(支店など)を管轄する労働基準監督署長になります。
事業所非該当承認申請書
  • 小規模な出張所などのように、ひとつの事業所として独立性がない場合に提出します。
    (ただし、その事業所の被保険者数が20人以上の場合は、承認の可能性について、管轄公共職業安定所長に確認してください)
  • この申請書を提出する場合には、まず上記の「労働保険継続事業一括申請書」を先に提出しておく必要があります。
  • そして、その後に各支店などを管轄する公共職業安定所長に提出します。
労働保険代理人選任届
  • 労働保険に関する事務の全部または一部を行わせるための代理人を選任したときに提出します。
  • 新規に選任した場合は当然に、既に選任した代理人の職名、氏名、印鑑事項等に変更があったときにも提出します。
  • 提出期限は「速やかに」です。
労働保険 概算保険料申告書
(中途成立)
  • 保険年度の中途(4/1〜翌年3/31)で事業が開始されたときは、事業が開始された日から、最初に到来する3/31までの全従業員の見込み賃金額に、その事業に係る労災保険率及び雇用保険率を乗じて、労働保険料を算出します。
    そしてそれを、保険関係の成立した日(労働者をひとりでも雇用したときなど)から50日以内に申告・納付します。
  • つまり、一旦設立当初に概算で計算した金額を納付し、その期間が終わると確定額を計算して、概算額との過不足を精算する仕組みです。
  • 賃金総額の見込み額には、賞与、通勤手当等忘れずに。
  • 所轄労働基準監督署長を経由して、都道府県労働局労働保険特別会計歳入徴収官に提出します。
    納付金額があるときは日本銀行(本店・支店・代理店等)、郵便局でもできます。
  • 事業開始時には「保険関係成立届」と同時に。
    それ以外は添付書類は無し。
  • 要件にあえば分割納付できます。
    (ただし、新規成立時は時期によって回数に注意)
健康保険・厚生年金保険 新規適用届
  • 会社を新規に設立したとき、今まで未加入だった事業所が加入するときに提出します。
  • 法人の場合は、社長ひとりでも加入しなければなりません。
  • 個人事業主の場合は、一定の業種の事業所で、従業員が5人以上の場合に強制加入となります。
    しかし、個人事業主は加入できません。
  • 法人でない弁護士事務所等は任意適用(加入するかどうかは任される)、使用する従業員の人数に関係なく農林水産業、飲食業、ホテル、理美容等(法人でない事業所に限る)なども任意適用事業です。
  • 原則は、強制適用になってから5日以内に提出。しかし、社会保険事務所によって受付日があるので、事前に確認すること。
  • 添付書類の主なもの
    1. 被保険者資格取得届
    2. 被扶養者(異動)届
    3. 保険料口座振替納付申出書
    4. 新規適用事業所現況書(その2)
    5. 加入予定者全員の年金手帳
    6. 法人登記簿謄本(個人事業所の場合は事業主の住民票)
      などなど。
  • 労働者名簿、出勤簿、賃金台帳なども持参します。
健康保険・厚生年金保険
事業所関係変更(訂正)届
  • 労働保険と同じく、社会保険もあらかじめ代理人を選任し、その代理人にほとんどの事務を行わせることが可能です。その場合に提出します。
  • そのほかにも、事業主(または代表者)の住所に変更があった場合、事業主(または代表者)に変更があった場合などにも提出します。


(2)就業規則あれこれ

(A)ひとつの事業所で、パート社員、契約社員などを含めて常時10人以上の従業員を使用している場合は、必ず就業規則を作成し、それを所轄の労働基準監督署長へ届出なければなりません。(内容を変更した場合も、届出が必要です)

  • 業務に繁閑があり、一時的に7人とか8人になるとしても、年間を通じて概ね10人以上を使用している場合は、作成および届出の義務があります。
  • この義務に違反した場合は、30万円以下の罰金が科されます。(労基法120条1号)
  • ひとつの事業所とは、本社は本社、支店は支店というように、原則として同一の場所にないものは、別個の事業所として、それぞれについて定め、届出を行います。

(B)常時使用する従業員が10人未満の事業所は、就業規則の作成義務はありません。しかし、今後の経営リスクの軽減を図るなら、作成するほうが望ましいといえます。ただし、仰々しいものを作る必要はなく、事業内容・事業規模等を考察して作成するのがいいでしょう。

  • 「どうも使い勝手が悪い」という場合、雛型をそのまま写し、しかもそれが大手企業向けの就業規則だった、ということが多いようです。
  • 「簡単でいいんだ」という場合は、内容を吟味しつつ、通常よりも低価格で作成することもできますので、まずはご相談ください。

(C)内容
絶対的必要記載事項
(必ず定める必要のある事項のこと)
  • 始業終業時刻、休憩時間、休日、休暇(育児・介護休業法による休業も含まれる)、就業時転換に関する(交代制の場合の内容)事項
  • 賃金(臨時のものは除く)の決定、計算・支払方法、締切、支払いの時期、昇給に関する事項
  • 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
相対的必要記載事項
(規定しなくてもよいが、定めをする場合には必ず記載することになる事項)
  • 退職手当(支給される労働者の範囲、決定、計算、支払方法、支払い時期)
  • 臨時の賃金等(退職手当を除く)、最低賃金
  • 従業員に食費、作業用品等の負担をさせる場合は、その事項
  • 安全及び衛生に関する事項
  • 職業訓練に関する事項
  • 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
  • 表彰、精細に関する事項
  • 事業所の労働者すべてに適用される事項
任意的記載事項
(記載することを義務付けられてはいないが、使用者が任意に記載することができる事項)
  • 服務の心得
  • 服務規律   など

  • 仮に、必要記載事項の一部を欠いた場合でも、効力発生の他の要件を具備すれば、その就業規則は有効とされます。しかし、作成義務違反は成立しますので、届け出ていたとしても、免責されません。

(D)手続

  • 作成した就業規則は、届け出る前に従業員の意見を聞く必要があります。(内容を変更する場合も同じく意見を聞きます)
  • 意見を聞く従業員とは次のもの
       *従業員の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合(過半数労働組合という)
       *過半数労働組合がない場合は、従業員の過半数を代表する者。(過半数代表者という)

     過半数代表者は、労基法第41条2号で規定する管理監督者でない者で、かつ、過半数代表者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手などの方法による手続により選出された者、とされています。

     もしも全員が管理監督者の場合は、後者だけでもいいとされています。

  • 過半数労働組合がある場合はその組合の、なければ過半数代表者の意見を記した書面 (意見書)を添付して、就業規則を届け出ます。

    「意見を聞く」ですから「同意を得る」ことまでは、法的には求められていません。しかし、極力、意見の対立がないようにした方が、従業員のモラール、モチベーションの向上に繋がると思われます。

  • 従業員に対して就業規則の内容を周知させる。
     方法としては、「常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならない」(労基法第106条1項)となっています。
     そして、この周知義務に違反した場合も、30万円以下の罰金が科されます。(労基法120条1号)

    *上記の「その他厚生労働省令で定める方法」とは、下記のこと。
     「磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずるものに記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること」となっています。(労基則52条の2第3号)

     よって、CDやDVDに記録して、各作業場にこれらを見ることができるコンピュータを設置して、かつ、従業員にその操作方法を周知させた上で、操作をする権限を与えるという場合は、周知義務を果たしたことになります。(平成11年1月29日基發45号)

  • 周知されていない就業規則の効力は?
     現在見解が分かれていますが、「就業規則が法的規範として効力を有するものとして、拘束力を生ずるためには、その内容を、その就業規則の適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続がとられている必要がある」とした最高裁判所の判決が最近出ていますから、周知させる方が賢明でしょう。

     特に解雇についての問題が紛争に発展した場合は、周知している・いない、は大きな影響を持つものと考えます。また、近年においては、訴訟が増加している傾向があるようですから、リスク軽減の意味から見ても、作成・周知は健全な経営の条件といえます。


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