司法改革の影響
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規制緩和が声高に叫ばれています。司法改革もその流れに抗うことができないようです。ロースクールの開校、毎年度の司法試験合格者の大幅増加、隣接法律職への業務開放等々。
その流れの中で、気になる記事を新聞で読みました。その記事によると、アメリカの弁護士事務所が日本で事務所を開いた場合、現在は規制されている日本人弁護士の雇用が可、となるというものでした。日程はまだ正確には決まっていませんが、数年のうちに可能となるようです。
「それがどうした?」
確かにそうだとしても、すぐにどうなるというものではないかもしれません。ですがマクドナルドのコーヒーで火傷をしたということで約3億円もの賠償金額が発生するお国柄の弁護士事務所が直接アドバイスした弁護士が活動を開始するのです。
もちろん、日本の司法制度からしてアメリカのような懲罰的損害賠償の仕組みはありません。しかし、いつまでも導入されないなんて言い切れますか? 絶対に大丈夫なんてことはないのです。
私は、特に事業主の方々に注意を喚起したいと考えています。
「うちはうちのやりかたで今までやってきた。だから今後も変えるつもりは毛頭ない」
こんな風に考えておられる方はまだまだ多いでしょう。確かに、時代というものが同じ所でずっと止まっていてくれればそれでもいいかもしれません。ですが、時は間断なく流れています。子供が大人になっていくのを止めることができないように。
数年前と比べると従業員の会社に対する帰属意識はずいぶん希薄な方向へと変化しているようです。ですが、それはやむを得ないのかもしれません。企業のほうが散々、リストラなどで従業員への対応を変化せざるをえなかったのですから。
苦々しい思いで退職した従業員が、今後も行動に移さないという保障はありません。何とか、会社を見返したい。そう考えて、法律家の門をたたく可能性は従来より高くなると私は予想しています。
また、そうなるのが弁護士の増加等の司法改革の方向性なのです。自分の権利、主張は毅然とした態度で訴える。そういった社会になっていく可能性は非常に大きいでしょう。確かに、今の国民性を考えれば、首を傾げたくなるでしょうし、実際には、やはり定着しないかもわかりません。けれど、定着し、訴えられる立場になってからではあまりにも対応が遅すぎます。
できるだけ訴訟へ発展するようなリスクは避ける。そのための就業規則等の作成、変更などの事前の対策を万全にする。もちろん、絶対的な対応などありません。しかし、できるだけリスクを軽減することはできます。細心の注意で、可能な限りスキを見せない経営。これからの事業主の絶対条件になると私は考えます。そしてこの分野に精通している士業こそが社会保険労務士なのです。
大企業を中心に景気も若干回復傾向にあるようです。とはいっても全事業所の9割以上を占める中小零細企業はまだまだ不況の真っ只中にいます。その影響でしょうか、労働保険や社会保険に未加入の事業所が増えているようです。確かに、企業が存続していくためには法的にはともかく、同情すべき余地はあるでしょう。ですが、法律上任意加入の事業所は例外ですが、原則的には強制加入です。事業主の方にしてみれば、違法状態であるという意識も希薄なのかもしれませんが、違法状態であることは間違いありません。
違法状態。これは、紛争になった場合、相手側にとって思わずニヤリとする状態です。民法第709条の不法行為・第415条の債務不履行に基づき、損害賠償が認められる可能性が極端に高くなります。
「そんなことを言っても、今目の前の状況に青色吐息なんだ。どうしろというんだ?」
こうおっしゃる方も多いことでしょう。しかし、真剣に考えられたことはありますか?
時間がない、相談する相手がいない、などの理由で放置されていませんか? もちろん、誰かに相談したからといって解決することばかりではありません。でも、聞いてみなければわからないことも事実です。案外、解決方法が見つかったりするものですよ。
ただし、当然のことですが社労士を含め士業は、法律の専門家ですから、脱法行為に関してのアドバイスはしません。あくまでも適法な解決方法を模索するお手伝いをするだけです。
われわれ社労士は労働保険・社会保険に関しての専門家です。きっと、皆さんの日々の苦悩の種を解決あるいは軽減するお手伝いができるでしょう。(何度もいいますが、適法にそして100%解決できるものではないことは、あらかじめご了承ください)
司法改革により弁護士の増加は確実ですし、低額訴訟の場合、簡易裁判所での訴訟となりますが、既に司法書士に対し、簡易裁判所での代理権が付与されました。これらからも、従業員や元従業員との紛争増加は現実問題として、事業主に降りかかってくるでしょう。その火の粉を、少しでも減少させるために、社労士を活用してもらえれば、労使ともに、よい方向に行くものと考えます。
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